- 讃岐賢一(管理者)
ちょいとばかり(怒)な移染のお話②
ラブリーチェーンしみ抜きブログにようこそ!管理者の讃岐です。
さて、先週予告した第二弾。書こうと思ってたらまた社内の洗濯で別の移染が起こってしまいました(;´∀`)
しみ抜き依頼のものと違い通常納期のため、急いで処理せねばならず他の仕事止めて移染落とししてました。その分今回のブログは長々と読みにくい…いや、ボリューム盛りだくさんになっております。
まずは社内のドライクリーニングで起こった移染。全体像はこんな感じ(処理完了後の写真ですが)

この手の白又はベージュ×黒のワンピース、色流れが多いんすよorz

こんなふうに自分で自分を染めてしまう自家汚染が発生。特に濃色部分がレーヨン入り素材は要注意!
今回はドライクリーニング可のポリエステル素材でしたけど、表記通りに洗って色が出ています。

移染防止の定番薬剤と色を流れやすくするアルカリの合わせ技で一箇所ずつ処理しました。
そして、本来ネタにしようとしていたのがコチラ

本体の赤が移ってしまっているのが分かりますか?
このワンピースは水洗い✕のドライクリーニング指定でした。お客様が水洗いして移染させても、メーカーは『表記通りに洗ってないじゃないですか?』と言い逃れが出来てしまいます。なんか悔しい…(。>﹏<。)

全体処理をしたらドバドバ色が出て全体的にピンクに染まったときはマジ焦りましたが、なんとか白に戻せました。本体の白ストライプも、色の滲みがなくなったことによりキレイに浮き出ています。
これも自分で自分を染めてしまう自家汚染。ポリエステル100%の品物でした。
ポリエステルから色が出ることは非常に稀なのですが、中国や韓国製の生地の中には【ソーピング】という余分な染料を洗い流す作業を省いた物もあり、そういった生地を使って作った服は、日本国内で縫製していようと余分に付いた染料が洗い流されるのを今かいまかと待っている状態なので、ダメダメです。
ソーピングについては、しみ抜きのエキスパート集団【匠抜き】のコチラのページに詳しく書かれていますhttp://www.takuminuki.com/howto/column/2008/08/post_25.html
弊社近隣の匠抜き取扱店は、深谷市のクリーニングアライさんとなります。と同業者の宣伝(笑)
2点目のワンピースは、全体処理でしっかりソーピングしておりますので、今後の家庭洗濯でも安心して洗えますョ!
この2回のブログを通して何を言いたかったのか?
それは実質メンテナンス(お洗濯)を前提としていない酷い品物がたくさん流通していること。そして家庭洗濯の条件も悪化していること。
全体が同一の色なら色が流れたとしても単品で洗っていれば被害は出ないかもしれません。しかし今回の自家汚染2例は、たとえ単品で洗っても事故になる、絶対に防げない【罠】です。
洗濯表示のとおりに洗っても色が出た場合、お客様はメーカーにどんどん問い合わせた方が良いと思います。
メーカーとしては『クレーム問い合わせが少ないと、コストをかけて品質を上げるより少数のクレームに個別対応したほうが安くつく』『そもそも品質を上げて販売価格を上げると販売数も減るし買い替えのサイクルが長くなる』という大量生産・大量消費・大量廃棄が正義という考え方もあると思います。一部のメーカーだとは思いますが。
消費者からメーカーへの問い合わせが増えれば、安かろう悪かろうの品物が淘汰されていくのではないかと思います。
2回に分けていろんな業界をディスって敵に回してしまいましたが、こういう洗濯事故が無くなって欲しい、そしてそのために各業界ができることがあるのでは?というのが偽らざる本音です。